坂本勝直のささいな blog

坂本勝直 日々の記録

大雨が降るとあらわれる「赤池」の不思議 坂本勝直

大雨が降るとあらわれる「赤池」の不思議 坂本勝直

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富士山の山梨県山麓に、東から山中湖・河口湖・西湖・精進湖本栖湖と並んでいる富士五湖ですが、もともとは観光スポットの人気投票のために命名したものだが、今ではすっかりと定着しています。



富士山の世界文化遺産を構成する資産候補としても知られ、かつては文化庁が、「富士五湖を含めないと富士山として不完全」という見解を示したほど、富士山とはきっても切れない湖です。



そんな富士五湖ですが、よく知られているのは本栖湖精進湖、西湖は、かつて一つの湖だったというお話です。



富士五湖は、富士山の噴火によって堰き止められ、窪地に伏流水でできた「堰止湖」というものです。
伏流水とは、地上に降った雨や雪が地下にしみ込んで、地層の中の目の粗い岩や砂礫から流れ出てくるものです。
この伏流水がしみ出して貯まったものが、長い歳月をかけて湖になったのです。



事実、これら三つの湖面の標高は同じで、どんなに増減があっても水位がいつも同じです。
このことから、この三つは今もつながっていると考えられています。



古代は、本栖湖精進湖、西湖の3湖はつながっていて「セの海」と呼ばれ、また富士河口湖の河口湖、山中湖や忍野八海を含む湖を「宇津湖」と呼ばれていました。
そして、新富士火山の溶岩流によって河口湖と本栖湖が誕生。続いて貞観の大噴火の溶岩流により、セの海がさらに分断され精進湖と西湖が誕生。
また、1500~1000年前に山腹から流れ出た溶岩流によって河口湖と山中湖が現在の形となりました。


 

精進湖の南東に実は6番目の湖がある?

そして、あまり知られていないのが、この精進湖の南東に実は6番目の湖があるというお話です。
といっても、それは大雨が降って増水したときだけにしかあらわれない「幻の湖」といわれる「赤池」です。



赤池は湖底を埋めた赤い溶岩から名付けられたそうで、大きさは直径50メートルほどの小さな湖です。
林のなか突如あらわれて、湖底にはそのまま森があるというかなり神秘的な光景です。



最近では、1998年、2004年、そして昨年に出現した「幻の湖」。富士山に通っていれば、いつかその目で見ることができるかもしれませんね★